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学会参加報告(昨年11月分です)

歯科衛生士の石井里加子です。


今回は、昨年11月に開催された第40回日本障害者歯科学会での活動を報告いたします。

会場は、北海道札幌市にあるロイトン札幌で行われ、日本障害者歯科学会所属のスタッフ全員で参加しました。


本大会は、学会設立40周年記念であったことに加え、久しぶりの完全対面(現地)開催ということもあり、全国から多くの方が参加されていました。

今回の学会では、関野院長と私がそれぞれの講演で登壇し、また私は教育講座の座長とポスター発表を行いました。

院長の講演は診療ガイドライン委員会企画講演です。

院長は2018年より日本障害者歯科学会診療ガイドライン作成委員会の委員としてガイドラインの作成に携わっていました。

診療ガイドラインとは、エビデンス(科学的根拠)などに基づいて、最適と考えられる検査や治療法などを提示する文書のことです。


その診療ガイドラインのひとつである「Down症候群の歯科診療における診断と処置方法ガイドライン」が2022年に完成し、本大会では、その内容の中から臨床現場で遭遇することの多い「歯周病」、「う蝕」、「歯列育成」、そして日本ダウン症学会や親の会からのご意見をテーマに取り上げ、4名の演者の先生が分かりやすく解説してくれました。

その一人として院長は「Down症候群の歯科診療における診断と処置方法ガイドライン2022の活用についてーDown症候群の歯周病管理ー」というテーマで講演しました。

Down症の方は歯周病のリスクが高く、早期に罹患・重症化する可能性があることで知られています。

本講演では、①Down症候群は歯周病に罹患しやすこと、②
Down症候群に対してブラッシング指導や一般的な歯周病の治療(スケーリング・ルートプレーニング)に対して効果が期待できることなどが、エビデンスと今までの臨床経験も交えて報告しました。

私自身もDown症の方の歯周病は、幼少期よりしっかり管理すれば“予防できる!” と実感しています。


私は、1日目に認定歯科衛生士審査委員会企画「認定歯科衛生士・指導歯科衛生士を取得しよう!」で登壇し、2日目にポスター発表と教育講座「歯科衛生士における自閉スペクトラム症の方へのトレーニング,演者:よこすな歯科/西尾市障害者歯科診療所勤務の歯科衛生士鈴木香保利さん」の座長を担当しました。


認定歯科衛生士とは、専門分野において高度な業務実践の知識・技能を有すると認められた歯科衛生士のことで、当クリニックの歯科衛生士(石井・梅田・三輪)も複数の認定歯科衛生士を取得しています。

障害者歯科分野の認定歯科衛生士・指導歯科衛生士は、いくつかの審査・試験に合格する必要があります。

私は2022年より2年間日本障害者歯科学会における認定歯科衛生士審査委員会の委員長を拝命し、さまざまな審査や普及・啓発活動を行ってきました。

今回はその一環として、より多くの障害者歯科のスペシャリスト(歯科衛生士)を輩出すべく制度の説明と受験時のポイントなどを3名の演者が登壇し解説しました。

全国に専門性の高い歯科衛生士がたくさん誕生し、障害のある方も身近な地域で質の高い歯科診療が受けられることを心より願っています。


ポスター発表は、2021年に熊本県歯科医師会口腔保健センターで講師を務めた研修の実際とその成果についてセンター常勤歯科衛生士の日永智子さんと一緒に発表しました。


発表内容では、研修として一緒に担当した、知的障害のある重度歯周病の患者さんの症例報告をしました。

歯周病の治療により口の中が改善していくと、歯科診療にも徐々に協力が得られるようになることがあります。

今回の研修と発表を通じて、ますます多くの歯科衛生士に障害のある方の歯周治療に携わってほしいという気持ちが強くなりました。

最後に私事ですが、今回学会40周年にあたり功労賞をいただきました。



受賞に恥じることなく、地域医療、また障害者歯科の実践と普及に邁進してまいります。