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第41回日本障害者歯科学会「教育講演」報告

歯科衛生士の石井里加子です。

今回は、昨年12月13日(金)~15日(火)に沖縄にて開催された第41回日本障害者歯科学会で「教育講演」を担当させていただきましたので、ご報告します。



私は、大会最終日に「障害者歯科を通して見えてきたこと、そして新たな挑戦へ」をテーマに、歯科衛生士として歩んだ軌跡と、そして現在、地域で取り組もうとしている「新たな挑戦」についてお話ししました。



私の障害者歯科の歩みは歯科衛生士になって2年目、東京都立心身障害者口腔保健センター(センター)に就職したのが始まりです。

当時は日本における障害者歯科が広まりはじめた頃でしたが、歯科衛生士教育には、障害者歯科の授業はなく、基礎を導いてくれる教科書もありませんでした。

歯科衛生士として経験が浅い上に、全てが未知の世界で手探りの毎日です。

センターに来院される患者さんの多くは歯みがきが難しく、むし歯や歯周病がたくさんありました。

歯科衛生士として患者さんのお口の健康を取り戻すべく一人ひとりに丁寧に向き合いますが、なかなか改善まで至りません。

さらに障害のある方は入れ歯を作ることも使うことも難しいことがあり、むし歯や歯周病にさせない予防の重要性を痛感しました。

そこで私は、2つの目標を立て臨床に臨んできました。


その目標の1つは、障害があってもセルフケアを支援し自己健康管理を目指すこと、2つ目は、歯周病になりやすく、悪化しやすいDown症候群のある方の歯周病予防です。

 
 そして約30年間多くの患者さんを担当し、運動機能や発達に合った歯みがき支援、歯周病の予防や治療を経て、これらの目標はおおむね達成できたと思っています。


その中で見えてきたことは、次の4点です。

1 障害のある人に特別な方法はなく、基本が重要である

2 口腔の健康がQOL(生命・生活・人生の質)の向上につながる

3 障害者歯科で得た知識やスキルは障害の有無にかかわらず全ての人に有用である

4 歯科衛生士は国民のいのち(命・活・人)をまもる(衛)という役割を担っている


これらの学びは、歯科衛生士としての「信念」となっています。


そして現在は、関野院長と一般歯科診療所という立場から「新たな挑戦」に取り組んでいます。

障害のある人を地域の歯科医院で受け入れるには、バリアフリーな診療室、より多くのマンパワーや診療時間、より専門的な診療機器や器具、診療報酬とのバランス、患者間の理解など、さまざまなハードルが存在します。

そのハードルを越えていくことが「新たな挑戦」であり、その先には、健常者も障害のある方も変わりなく、すべての人の口腔の健康をサポートできるユニバーサルな歯科医院、そして平等で相互理解のあるコミュニティをつくることを目指しています。


オーラルヘルスサポート歯科すみだが開院し1年半が過ぎましたが、障害のある方ばかりでなく、健常者の中にも歯科受診に不安や恐怖心をおもちの方が大勢いることを知りました。

私自身、これまで培ってきた多くの経験をフル活用して、“歯科が苦手”、“痛みに敏感”、“口が大きく開かない”などでお悩みの方にも、お一人お一人に合わせたケアができるよう努めています。

小さなことでも構いません。気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください!

お知らせ

診療時間変更のお知らせ

平素より当医院をご利用いただき、誠にありがとうございます。


2025年5月1日(木)より診療時間に変更がございますので、下記の通りお知らせいたします。


木曜日の診療が14:15~19:30に変更となります。



上記、診療時間の変更に伴いご予約に変更が生じる場合がございますが、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。




オーラルヘルスサポート歯科すみだ


院長 関野 仁


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歯周病講演報告

院長の関野です。

3月9日(日曜日)横浜鶴見歯周病研究会(YTAP)にて講演をさせていただきました。

今回は鶴見大学歯周病学講座の教授に新しく就任された長野孝俊先生に講演の依頼をいただきました。

私は他大学出身にも関わらず、これまでも前教授の五味一博先生をはじめ鶴見大学の先生方には本当によくしていただいており、少しでもご恩を返そうと気持ちを入れて講演に臨みました。

私の講演テーマは「障害者の歯周治療から歯周基本治療を再考する」です。

歯周病の原因に障害者と健常者に違いはありませんが、障害者の歯周病はより多くのリスクファクターが関連し、一般的には治療は難しいと考えられています。

しかし、難しい障害者の歯周病を治せるのであれば、そのノウハウは健常者にも応用できるはずです。

今回は、その難しい課題に挑戦してきた経過と成果をお話しさせていただきました。

講演の最後に五味先生から温かい講評をいただいた時は、これまでがんばってきたことを思い出し、グッとこみ上げてくるものがありました😢



歯周病の改善にはプラークコントロールが欠かせないことは、歯科医師、歯科衛生士なら誰しもが知っていることです。

つまり、歯磨きがうまくできていなくて磨き残しが多いと、歯周病が治らない、治りにくいということです。

それでは例えば障害があって、自身での歯磨きが難しい方の歯周病はどう治療したらよいのでしょうか。

私はこれまでの取り組みで、この答えのなかった、むしろ多くはプラークコントロールが難しいから仕方ないとあきらめが答えだった障害者の歯周病治療に、歯周病専門医として答えが出すことができたと思っています。

そしてその成果を、歯周病の臨床、研究で指導的に活躍されている先生方に評価してもらえていることは、自分の仕事に誇りを持つことができる幸せなことだと思います。



今は地域医療という場で、これまで培ってきた経験とスキルを活かし、障害があるなしに関わらず、患者さん一人ひとりに合った歯周病予防と治療を提供しています。

当院の強みは、

① 歯周病見つける診断力

② 質の高い歯周病の治療

③ 歯周病を発症、進行させない質の高い予防(メインテナンス)
です!!

歯科大学病院には一般開業医から歯周病の患者さんの紹介が多くあります。

それだけ歯周病治療は難しいということです。

当院では歯周病専門医、歯周病学会認定歯科衛生士が在籍しているため、歯周病で困っている方、歯周病かどうか不安な方などのお力になれると思います。

歯周病への考え方や治療方法はいろいろありますが、当院では正確な診断のもと、日本歯周病学会のガイドラインに基づいた基本に忠実な歯周病治療を行います。

これからも、皆様の歯や歯ぐきを永く健康に保つお手伝いを全力でさせていただきますので、引き続きよろしくお願いいたします!

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関野講演のお知らせ

院長の関野です。

講演のお知らせです。

3月9日(日)、横浜鶴見歯周病研究会にて、関野が講演を担当いたします。

これまで経験してきたリスクファクターのある難症例から得た知見、歯周基本治療の可能
性について、歯周病専門医、障害者歯科専門医という立場から解説していきます。

健常者に対しても役立つ内容になると思いますので、ご興味のある方はぜひご参加くださ
い👇👇

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年末のご挨拶

院長の関野です。

今日が今年の診療最終日でした。

おかげさまで、この1年多くの患者様に来院いただき、忙しくも充実した毎日を過ごすことができました。

ご来院いただいた皆様、ありがとうございました。

来年も皆様が健康な生活を送れるよう、全力でお口の健康からサポートしていきますので、引き続きよろしくお願いいたします!

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盲ろう者の方へ講演を行ってきました。

こんにちは。歯科衛生士の梅田です。

10月20日に東京都盲ろう者協会主催の交流会にて講演を行ってきました。

テーマは「詳しく知ろう!お口のこととケアの方法」で、歯や歯ぐきの基礎知識やお口の健康を守るためのケアの具体的な方法を話させていただきました。

講演を担当するのは久しぶりだったのですが、皆さん温かく迎えてくださったので、あまり緊張せずに話すことができました。

今回の講演の対象となる盲ろう者の方は視覚障害と聴覚障害を重複されている方ですが、障害の程度は一人ひとり違うため、通音声通訳や指点字、手話通訳などそれぞれの方に合わせた通訳をしていただきながらの講演となりました。

私自身、長年手話を勉強しており、聴覚障害者対象の講演会に出席したり、手話通訳を経験したことがあったのですが、盲ろう者の方への講演は初めてだったので大変貴重な経験でした。

今回は話すだけではうまく伝わりにくいと思い、触ってイメージしやすいように歯や歯ぐきの模型を使用しました。


講演後には大変わかりやすかったとのお言葉をいただくことができました!


(↑↑使用した模型は以前同じ職場で働いていた森田歯科衛生士が手作りで製作したものです。本当によくできていて驚きです。快く貸してくださり感謝です!)



質疑応答の時間では、歯医者さんで聞けないこと、疑問に思っていたことをたくさん質問していただきました。

ご自分が正しい歯みがきができているのか自信のない方や、長年歯医者さんに通えていない方など、お口のことで悩んでいる方が多いんだなと感じました。

当院では、歯科衛生士が時間をかけてむし歯予防や歯周病のケアをさせていただいております。もしもお口のことで疑問や悩みがあったら、遠慮せずにご相談ください!

また、手話や点字ができるスタッフがおりますので視覚・聴覚障害の方、盲ろう者の方も大歓迎です。

当院でお会いできることを楽しみにお待ちしています。

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講演のお知らせ

こんにちは。院長の関野です。

今月10月27日(日)に日本ダウン症学会学術集会にて関野が特別講演を担当します↓

テーマはダウン症の方の歯周病についてです。

現在参加登録受付中で、当日参加できなくてもアーカイブ視聴も可能ですので、ご興味のある方は日本ダウン症学会のHPをご覧いただければと思います。

ダウン症の方は歯周病のリスクが高いことが知られていて、歯周病と障害者歯科分野では臨床課題のひとつとなっています。

以前に、私の大学の大先輩で障害者歯科のパイオニアのお一人である池田正一先生から、「ダウン症の歯周病の問題が解決するように先生にがんばってもらいたい」と言われてから、自分の臨床課題として力を入れて取り組んできました。

今回の講演では自分の経験がお伝えできるようがんばりたいと思います!!

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FMDと私

こんにちは。院長の関野です。

今回は私も執筆させていただいている今年出版の新刊書籍の紹介です。

コチラです!↓↓



この本には、歯周病の治療方法のひとつである、抗生剤を使用するFull-mouth disinfection (以下FMD)について書かれています(Full-mouth SRPとも言います)。

FMDについては昨年末のブログ「年末のご挨拶と…」にも記事を書かせていただいていますので、そちらもぜひご覧ください!

私のこれまでの執筆や講演のほとんどがこのFMDと関連があります。

私の歯周病治療の考え方や取り組み方を大きく変え、歯科医師人生のターニングポイントになったとも言えるFMDですが、この方法を始めるきっかけになったのはある論文との出会いです。

その論文は、鶴見大学の五味一博先生が2007年にjournal of periodontology で発表された” Effects of full-mouth scaling and root planning in conjunction with systemically administered azithromycin“です。

この論文を読んだとき、私は目の前の道がパッと開けた感覚になり、すぐにこの方法をやってみたい!とワクワクしたのをよく覚えています。

その理由は、当時取り組んでいた障害のある方への歯周病の治療と非常に相性が良いと思ったからです。

そして治療の結果は予想をはるかに超え、今まで治らず苦労していた歯周病をほぼ完璧に治すことができるようになりました。

~それではここで、歯周病の治療方法について簡単に解説します。~

私たちが患者さんに対して行う歯周病の治療は大きく「基本治療」と「外科治療」に分かれます。


基本治療は最初に行う治療で、基本治療で改善しない場合に外科治療に進みます。

外科治療は歯ぐきをめくって、歯周ポケットの中を目で見える状態にして、歯の根に付いた歯石や感染した歯ぐきを取り除く治療です。

一方基本治療は、目では見えない歯周ポケットの中を指の感覚を頼りに治療を行うため、歯石や感染した歯ぐきを取り残すことが多々あります。

つまり基本治療はとてもとても技術が要求される治療方法なのです。


学術的には歯周病が重度(歯周ポケットの深さが6㎜を超えるもの)だと、基本治療では治すことは簡単ではなく、外科治療を視野に入れます。

それではFMDは基本治療なのか?外科治療なのか?

答えは基本治療です。

通常数回に分けて行う基本治療を1回で行うのがFMDです。

私の臨床的感覚では、数回に分けて行うよりはるかに治ります。

それは中くらいの歯周病ならばほぼ完璧に、重度でもかなり良いところまで治すことができます。

ならば歯周病の治療はすべてFMDで治せばいいのでは?となるのですが、全部の歯の基本治療を1回で行うことは、保険診療では認められない場合が多いです。

また、治療時間も非常に長く、局所麻酔をすべての歯に行うことは患者さんの負担が非常に大きいため、全身麻酔下でのFMDを強く推奨しています。

これらのことから、簡単な治療方法ではないとも言えますが、1回の治療で歯周病が改善するメリットは非常に大きいと思います。

FMDにご興味ある方、歯周病でとても困っている方、歯周病が心配だけと治療が怖くて通院ができていない方など、ぜひお気軽にご相談下さい!

歯周病の話は、まだまだ書きたいことはたくさんあるので、また記事にしていきます!